はじめに:「推し活」したことありますか?
こんにちは、刺繍作家maileです。
本記事では最近読んだ朝井リョウさんの「イン・ザ・メガチャーチ」を紹介します📖
朝井リョウさんといえば「桐島、部活やめるってよ」「何者」も有名です(他にも様々な作品があります)。
「イン・ザ・メガチャーチ」は2025年の作品ですね。
みなさんは周囲が「推し活」で盛り上がる中、自分だけが冷静で「熱狂できない」と感じたことはありませんか?
私は周囲の目が気になってしまい、何かに没頭することができない・一歩引いて考えてしまう性格。
そんな私にとって「イン・ザ・メガチャーチ」との出会いは、自分と他者への理解を深める良い機会になりました。
この本では「推し活」をテーマに3人の登場人物のストーリーが展開されていきます。
「推し活」を一言で説明するのは難しいですが、例えば以下のことを楽しむ状態を「推し活」と表現することが多いと思います。
- 推している人物/キャラのイベント参加
- 推している人物/キャラのグッズを購入
- 聖地巡礼(アニメやドラマの舞台になった場所に訪れる)
「推し活」という言葉をよく聞くようになったのは、ここ5年くらいでしょうか。
この記事では、周囲の目が気になり熱狂できない私自身の経験とともに本書の感想をネタバレなしでお届けします。
熱狂できない私の経験
私は幼少期から「何かにハマる」経験が少なかったです。
学生時代、アイドルやアニメにハマった友人やスポーツチームの熱烈なファンの友人はいましたが、私はどれにも没頭することなく過ごしていました。

もちろん、それらのコンテンツを全く楽しまないというわけではないです。
少しかじってみて、面白い!良いコンテンツだな!と思って情報を追いかけることは何度もあります。
しかし、我を忘れて没頭するということはありませんでした。
没頭しようとすると、以下のような疑問が浮かんで冷めちゃうのが、よくあるパターンです。
(´・ω・`)
- 没頭している自分は周囲からどう見える?
- コンテンツの作り手の意図はなんだろう?
- 流行っている理由はなんだろう?
みなさんの中にも、私と同じように没頭できない人はいませんか?
そんな私が本書を手にとったきっかけは、世間で話題になっており興味を抱いたとともに「推し活」の世界を覗いてみたいと思ったからです。
イン・ザ・メガチャーチの感想:ファンの気質と3人の登場人物
本書では「推し活」をテーマに3人の登場人物の物語が展開されていきます。
ネタバレ最小限で説明すると、「推し活を仕掛ける人」「推し活に没頭していく人」「かつて推し活に没頭していた人」の3人が登場します。
この本を読んで印象に残ったのは下記の点です。
- 「推し活」のファンの気質
- 3人の登場人物の関係性
「推し活」のファンの気質
この本ではファン全体(ファンダム)を1つの集団として扱うのではなく、5つの気質を持った集団に分解しています。
登場人物の口を通して語られる5つの集団の説明は、私のような「推し活」経験に乏しい人にも分かりやすいです。
小説ではなく新書を読んでいる感覚に陥るくらいスッキリ整理されています。
怖さを感じたのは「推し活を仕掛ける人」が5つの集団のうち、特定の気質を持った1つの集団に向けて、様々な策を用いてアプローチをかけていく点です。
本書では「推し活」に熱心な人々の心情について、これでもか!というほど詳細かつ緻密に描かれており、彼ら/彼女らの行動原理を知るヒントが得られます。

以前の私は、コンテンツに魅力があるから好きになったり没頭したりすると思っていましたが、本書を読んでこの考えは不十分だったと感じています。
これまで私が没頭こそしなかったものの、興味を持ったり、好きになったコンテンツたち。
実は私の意志ではなく、運営側の計算し尽くした策に籠絡され、好きになっていただけ…?と怖くなりました。
3人の登場人物の関係性
本書では「推し活」をテーマに3人の登場人物のストーリーが展開されていきます。
序盤~中盤では「推し活」という共通テーマはあるものの異なる3人の行動や心情が丁寧に描写されています。
そしてクライマックスに向けて終盤で3人のストーリーが交差していくのが面白い!
次の展開にハラハラしながら読み進めました。
それぞれの登場人物のストーリーが進みつつ、前述した「推し活のファンの気質」のような重要な説明が適切なタイミングで挿入されているのも印象的。
3人のストーリーが交差するってどういうこと?と気になる方はぜひ本書を読んでみて下さい!

本書を通じて、私は何かに没頭しづらいタイプであることが分かりました。
私はきっと今後も「推し活」に時間&お金を溶かすことはないだろう、と安堵する一方で周囲を気にせず没頭できる人のことを少し羨ましく感じます。
没頭できない・熱くなれない人にも
本記事では「イン・ザ・メガチャーチ」を読んだ感想を紹介しました。
本書は「推し活」を楽しんでいる人はもちろん、私のように熱くなりきれない人にもオススメの一冊です。
これまで私は、周囲の目が気になり没頭できない経験を多くしてきました。
本書を読んだことで自分の好きなものを本気で「推す」人々の考えや感情を知るヒントが得られ、他者への理解が深まった気がします。
「推し活」を楽しんでいる人で本書を読んだ人がいれば、内容がどのくらい当たっているのか教えていただきたいです。
